スナップ写真で目をつぶっていた事が無いのが自慢。2009/03/28

スナップ写真で目をつぶっていた事が無いのが自慢。
所用があって某有名デパートに行った。
たまたま子供用品売り場を通りかかると、
その一角でキッズ撮影会なる催しをやっていた。
 
子供用ということで原色の背景が使われ、
照明もまずまず本格的のようであった。
ちょっとめかしこんだ2〜4才くらいの子供たちが、
お母さんに付き添われ、撮影の順番を待っている。
 
子供の撮影専門と思われる男性カメラマンが、
子供たちに声をかけなから、
調子良く撮影を続けていた。
 
私が気になったのは、
そこでカメラマンと子供たちを取り持つように、
おもちゃなどの小道具や、ご機嫌を取るためのグッズなどを持って動き回っていた女性である。
 
制服のようなものを着ていたので、イベント会社とかの人ではなく、デパートの従業員だろう。
童顔ということもあったのか分からぬが、21〜22才くらいに見えた。
 
その彼女がやや頬を紅潮させながら、それはもう嬉々としてその仕事をしているのだ。
子供がなかなか言うように動いてくれない時も根気よく、それこそ満面の笑みで相手をしている。
 
この仕事が楽しくて仕方がない、子供が好きでたまらないといった様子なのである。
おそらくもう何十組もの撮影をこなし、それを連日行っているはずなのにもかかわらず、である。
その笑顔はとても業務用のものではなく、心の底からでているものと思われた。
 
私もこの仕事を始めたのは好きだったからなのだが、
果たしてその頃の気持ちを持ち続けているだろうか。
日々、嬉々として仕事をしているだろうか。
多少スケジュールがきつかろうが、制作料が安かろうが、満面の笑みで机に向っているべきではないか。
長い年月の間に心はくすみ、感性は錆び付き、いつの間にやら精神が老いてしまったのやもしれぬ。
ともすればブツブツ言いながら、毎日を過ごしそうになる自分を、少し反省しなければならないようだ。
 
眺めていたのは僅かな時間なのだが、彼女の笑顔を見てそんな事を考えていた。
え?決して惚れたからじゃありませんよ。違う違う。
 

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