光と闇の間のくもりの中で、ゲーテの色彩は成立する。2009/10/07

光と闇の間のくもりの中で、ゲーテの色彩は成立する。
台風が近づいている。
 
被害が大きくならないのを祈るばかりだが、
さすがにコントロール出来ぬ自然の力の前に、
首をすくめてやり過ごすしかないのが現状である。
 
最近は都会にいると停電など滅多にないのだが、
私が子供の頃は、
台風直撃で停電する事がまだたまにあった。
 
テレビも見られないし、
子供にとっては悲しいお知らせの筈なのだが、
妙にドキドキして興奮していたような気がする。
 
聞けば、同じ感覚だったかつての子供は多いようで、
「そうそう!」などとおなじみの盛り上がりがあったりするのだ。
 
停電となれば、当然のようにロウソクの出番だったのだが、
もちろん、その頃オシャレなキャンドルなどあるはずも無く、仏壇用の何の変哲もないアレである。
何本か立てていると、習性のように吹き消してしまい、親に怒られるという、
これまたおなじみの光景が繰り広げられる。
 
しかし、ロウソクの光だけで夜を過ごすと、なんとも言えぬ感覚になる。
オレンジ色の揺らめく光が顔を照らし、いつもの家族の顔がまた違って見えたものだ。
普段は蛍光灯が部屋の隅々まで影をなくしていたのに、いたるところに闇が出現する。
 
見える範囲が極端に狭くなるにも関わらず、
むしろ闇が無限の広さを暗示して、かえって世界の広さを感じさせてくれたような気がする。
 
いくら暗くてやる事が無くても、そうそう早い時間から寝れるものではない。
こんな時は、我が家では決まって父親の話が始まるのだ。
その場で即興で創った適当な話なのだが、子供の食いつきそうなネタを入れ込み、そこそこ聞ける話で、
また以前に創って定番化した話も織り交ぜ、退屈はしなかった記憶がある。
 
と、のんびり子供の頃の事を思い出して、ほんわかしている場合ではない。
最近災害用品を準備しだしていたのだが、
よく考えたら、食料は多少備蓄したものの、照明用のロウソクが無いではないか。
仕方がない、家族の誕生日のケーキに使ったラブリーなちっこいキャンドルでいいか。
 
よりいっそう闇が大きく広がるだろうな。
我が家の行く末を暗示していない事を祈る。
 

コメント

_ mitoma@asu ― 2009/10/08 08:42:32

台風は今朝の明け方隣県を通過していきました。
幸い台風の西側だったので、近所の木が折れているくらいで、
たいしたことはありませんでしたが、朝起きたら停電していました。
でも、朝の停電はちょっと間抜けな感じだなあと思っていながら、
よくよく見ると隣近所には電気が来ていました。
なんのことはないない。間抜けなのはこちらでした。
漏電の危険を感知してブレーカーが自動的にダウンしていたようです。
携帯電話で電力会社に電話して
ブレーカーの上げ下げについて指示を受けながら
一部やはり漏電の箇所があったらしく、そこを除いて復旧しましたが、
電気が来ないといかに不便かということを
今回あらためて実感しました。
電話やテレビ、パソコンがダメで冷蔵庫やエアコンも風呂も
電気が来ないと今では操作ができません。
防災グッズは一応集めていますが、
防災時用のラジオは確かにこんな時役に立ちますね。
パソコンもモバイル通信できるようにしておくつもりです。

_ binsei ― 2009/10/08 11:56:27

なぜか夜限定で文章を書いてしまいましたが、
確かに昼間の停電は不便なばかりで、間抜けな感じがしますね。

しかし、どういう訳か台風は夜来て翌朝には去っている、
というイメージがあります。
よく考えるとそんなパターンばかりの筈はなく、
事実、東北を日中に北上などとなっている訳ですがね。

今回停電はしなかったのですが、
パソコンで作業中に停電でも食らったらアウトなので、
無停電装置をずいぶん前から検討していながら、
いまだシステムを用意できてないので、ひやひやものです。

こちらの被害も殆どなかったようです。
しかし、家の前の電柱につながっている電線の1本が、
ちぎれたように垂れ下がっているのが不気味です。
思わず二度見してしまいました。

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