火事場の馬鹿力を出したことがありますか。2010/01/12

火事場の馬鹿力を出したことがありますか。
成人の日に例のごとく一騒ぎあった事はともかく、
その前日、1月10日は110番の日だったらしい。
ベタな記念日制定だとは思うが、
それに関連した新聞記事を読みながら、
むかし110番通報したことを思い出した。
 
というのも、
何らかの事件を目撃したといったものでなく、
件の新聞記事が伝えるごとく、
昨今非常に増えた、そんな事で110番するのか?
と言われかねない通報と紙一重だったからである。
 
当時一人で住んでいたマンションの3階のベランダに、
短い方の側、つまり横の柵を背にして、
乾燥機付きの洗濯機を置いていた。
その頃主流だった、フォークリフトの様なラックの上段に乾燥機を置いた2階建て式のやつである。
 
その日強い低気圧が近づいて、夜になってからは雨と風が激しくなっていた。
「ガタン」という音に嫌な予感がして、ベランダを覗き込んでみると、
なんと、乾燥機を載せたスタンドが後ろ側に倒れ、10センチ程背後にあった柵の上部で止まり、
その勢いで、スタンドの柱が折れ曲がって乾燥機ごとベランダの外に落ちそうになっているではないか。
 
背もたれのある椅子に座って、首を真後ろに反り返るように曲げたような状態だと思えばいいだろう。
隣に部屋はなく、ベランダのその部分は空中に突き出した構造になっているので、
乾燥機は台座にビスで止められただけで、柵の外側にぶらぶらしているような形である。
 
真下には平屋の小さな建物があり、もし落ちれば屋根をぶち抜く事は確実で、大惨事は免れない。
あわてて引き上げようとするのだが、雨で濡れている上に風も強く、ただでさえ動きづらい場所だ。
火事場の馬鹿力をもってしてもどうしようもなく、気が焦るばかりだった。
 
やむなく乾燥機を支えながら、携帯の無かった時代なので、コードレスの電話機で110番した。
すぐに駆けつけた警察官と二人で何とか引き上げ、事なきを得たのである。
 
驚くことに、この乾燥機付き洗濯機は購入して数日しか経ってなかったのである。
つまり製品の老朽化が原因ではなかったのだ。
誰もが知るような大メーカーの製品だったが、スタンドの構造に根本的な欠陥があったらしい。
程なく乾燥機は新しい製品と交換され、スタンドは洗濯機とは重ねず平置のものに交換してもらった。
 
翌日、腕が強烈な筋肉痛に見舞われた。通常無意識が抑えている筋肉の力まで解放したからであろう。
その後一度も無意識が全筋力を解放したと思えることは無かった。
いやまて、全脳力を解放したことも無いかも知れぬ…。
 
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モノクローム・モノローグ。

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