あっという間に かわいいコックさん2012/05/22

あっという間に かわいいコックさん
昨日の金環日蝕を観測された方も多いのではないか。
 
東京では理想的な金環が見れるというので、
マスコミの加熱ぶりも凄かった。
もっとも東京も含め、
次回同じ場所で金環蝕が観測できるのは、
300年後だと聞けば無理もない。
 
もちろん天文好きの我が家も家族総出で観測した。
なにしろ半年前の皆既月蝕の時も、
湯たんぽを用意してまで観測していたくらいなのだ。
 
予てより用意の観測用のグラスは、
いわゆるメガネ型ではなく、
面積の大きいガラス製のプレート状のものである。
小さな子どもも大人も使えるし、レンズ口径の大きなカメラ撮影もできると考えたのだ。
 
天気が心配だったのだが、そこは晴れ男、蝕が最大に近づくにつれ見事に晴れ上がってきた。
撮影には多少雲がかかった方が美しかったのにと、逆に思うくらいであった。
 
私の住む地域は金環蝕の限界上にあるらしく、月は太陽面に食い込んだ後、円盤の縁をかすめる様に進み、
むしろベイリービーズが長く続くので、なかなか面白い観測だった。
 
印象的だったのは、皆既日蝕ではないのだから明るさはさほど変わらないと踏んでいたのに、
夕方か日の出前後の明るさまで落ちてきたことである。
しかも、太陽と月が同時に出ている時のトワイライトのような光の回り方であった。
あちこちで動物の変化を観察する企画があったようなのだが、
何も起こるまいと事前に考えていたのと違い、これなら特別な行動をとったかも知れぬ。
 
観測に溶接用のマスクを使った姉妹の写真が可愛いと話題になっているようだ。
溶接用マスクでは暗さが足りなくて少々危険だと思うが、短時間の代用なら問題ないのだろうか。
品切れが続出する程、全国で日蝕メガネが売れた。
次の機会には、間違いなく溶接マスク型が売り出されるに違いない。
 
さて、観測用グラスの出番がまたすぐにやってくる。次は6月6日の太陽面金星通過である。
これは長い時間かかるので、時間を選んで観測できるだろう。
まてよ、6月6日…6月6日…何かあったな…あ、6月6日に雨ザーザーか!いかーん!
 
…お後がよろしいようで。
 

光と闇の間のくもりの中で、ゲーテの色彩は成立する。2009/10/07

光と闇の間のくもりの中で、ゲーテの色彩は成立する。
台風が近づいている。
 
被害が大きくならないのを祈るばかりだが、
さすがにコントロール出来ぬ自然の力の前に、
首をすくめてやり過ごすしかないのが現状である。
 
最近は都会にいると停電など滅多にないのだが、
私が子供の頃は、
台風直撃で停電する事がまだたまにあった。
 
テレビも見られないし、
子供にとっては悲しいお知らせの筈なのだが、
妙にドキドキして興奮していたような気がする。
 
聞けば、同じ感覚だったかつての子供は多いようで、
「そうそう!」などとおなじみの盛り上がりがあったりするのだ。
 
停電となれば、当然のようにロウソクの出番だったのだが、
もちろん、その頃オシャレなキャンドルなどあるはずも無く、仏壇用の何の変哲もないアレである。
何本か立てていると、習性のように吹き消してしまい、親に怒られるという、
これまたおなじみの光景が繰り広げられる。
 
しかし、ロウソクの光だけで夜を過ごすと、なんとも言えぬ感覚になる。
オレンジ色の揺らめく光が顔を照らし、いつもの家族の顔がまた違って見えたものだ。
普段は蛍光灯が部屋の隅々まで影をなくしていたのに、いたるところに闇が出現する。
 
見える範囲が極端に狭くなるにも関わらず、
むしろ闇が無限の広さを暗示して、かえって世界の広さを感じさせてくれたような気がする。
 
いくら暗くてやる事が無くても、そうそう早い時間から寝れるものではない。
こんな時は、我が家では決まって父親の話が始まるのだ。
その場で即興で創った適当な話なのだが、子供の食いつきそうなネタを入れ込み、そこそこ聞ける話で、
また以前に創って定番化した話も織り交ぜ、退屈はしなかった記憶がある。
 
と、のんびり子供の頃の事を思い出して、ほんわかしている場合ではない。
最近災害用品を準備しだしていたのだが、
よく考えたら、食料は多少備蓄したものの、照明用のロウソクが無いではないか。
仕方がない、家族の誕生日のケーキに使ったラブリーなちっこいキャンドルでいいか。
 
よりいっそう闇が大きく広がるだろうな。
我が家の行く末を暗示していない事を祈る。
 

次は我々が目撃します。2009/07/23

次は我々が目撃します。
あれほどブログに書いておきながら、
日食はさっぱり観測できなかった。
 
どんよりと雲が覆い、
ただでさえ、部分食でテンションが上がらないのに、
全くついてないのである。
 
金と時間をかけて悪石島で待機していた人たちは、
ある意味忘れられない思い出にはなったであろうが、
やはりお気の毒としか言いようがない。
 
一年前に考えた計画が実行されれば、
屋久島も天気には恵まれなかったようなので、
いわばあれは私の姿だったかも知れないのだ。
 
それでもあたりが深夜のように真っ暗になる体験はそうそうできるものではない。
むろん晴れ上がった空に黒い太陽がうかび、星がまたたく様子が見られるに越した事はないのだが。
 
しかし、隣国のように気象コントロールしてまで晴れにする発想というのはいかがなものか。
実際には今回、人工消雨は行われなかったようだし、上海なども雨模様であった。
だが昨年のオリンピックの際は行ったとされ、それ以外にもしばしば実行されていると聞く。
 
深刻な干ばつなどの対策として、小規模に行うような場合でも慎重さが求められるだろう。
皆既日食のような大自然の驚異的な現象を目の当たりにすれば、
自然への畏敬の念がおのずと湧き出てくるのではないかと思うが。
 
悪天候の地域が多かったとはいえ、各地で様々な観測がなされたに違いない。
夏休みに入ったばかりの小学生にとっては、
日食眼鏡越しの部分食とはいえ、充分に科学的興味を引かれた事だろう。
 
日本以外の事はあまり調べていなかったので、今回の報道で知ったのだが、
次回の皆既日食は、来年7月11日イースター島で見られるとの事。
モアイの肩ナメのコロナの撮影をもくろんでいる人は、世界中にどのくらいいる事やら。
 
まさかと思うが、
雨に濡れてしょんぼりしたモアイの行列を撮影する事になったりするかもよ。にやり。
 

次回は海上で観測、なんてことになりませんように。2009/07/05

次回は海上で観測、なんてことになりませんように。
一年ほど前に今年7月22日の皆既日食の話を書いた。
あの頃に比べれば、この話題も一般的になり、
全国で観測ブームが起きそうな気配である。
 
長い皆既時間が観測できるトカラ列島など、
屋久島、種子島を含め、
渡航手段や宿泊場所の確保も難しくなっているようだ。
 
残念だが現地で観測するのは諦めざるを得ない。
ま、その他の事情もあるのだが。
映像でみるのと、現実に辺りが暗くなるのとでは、
天と地ほどの差があるのだが、致し方ない。
 
観測用の器具で部分食を観るしかあるまい。
金環食ですら辺りが暗くなることは無く、
肉眼の感覚では、通常の太陽と大差ないのだ。
 
しかし言うまでもなく太陽の光はとてつもなく強い。日食中とはいえ侮れないのである。
くれぐれも即席のフィルムなどでご覧にならぬよう、専用のものをお使いいただきたい。
 
せめて離島ではなく、本土で見る事ができればいかようにもできたのに誠に残念。
ただ次回の国内での皆既日食は、中部地方や関東の一部で観測できるのである。
おお、それはなかなか良いではないか。などと能天気に言っている場合ではない。
 
次回はなんと26年後、2035年9月2日のことなのだ。
 
それこそ前回の話ではないが、棺桶に片足突っ込みかねないのである。
冥土の土産に皆既日食はいかがですか。なんてね。
 
たとえ今回観測できずとも、次回は必ず生きて、この目でみてみたい。
棺桶に片足どころか全身入ることになっても、その隙間から喪服の彼女の肩越しに観測してやる。
 
それにしても26年後!はたしてその頃までこの国があるのやら。
まさか、ジャパン州や、日本省になってないだろうな。
 

一年間に、3.8cmずつ遠ざかっています。2008/09/08

一年間に、3.8cmずつ遠ざかっています。
スパッと半分に切ったような下弦の月が出ている。
今度の日曜は十五夜、中秋の名月である。
 
古来より、十五夜の天気は芳しくなく、
むしろ十三夜の方が晴れる事が多いと言われる。
今年の十五夜が晴れるかどうかは分からぬが、
たまには月見でもいかがだろう。
 
アポロ11号が月に到達して40年近く過ぎた。
しかし未だ、小規模な月面基地さえ無い。
当時、21世紀の初頭には、
相当数の人間が住むという見込みだったはずだが。
 
往年のSF映画、スタンリー・キューブリックの
2001年宇宙の旅」では、
立派な月面基地がいくつもあった。
映画では、月面で発見されたモノリスの調査の結果、
木星にまで探査に行く事になるのではなかったか。
 
だが最近、また月探査が活発になってきたようだ。
日本の月周回衛星「かぐや」による、世界初の“地球の出”のハイビジョン映像などは、記憶に新しい。
 
“地球の出”といっても、月面に立ってみた訳ではなく、
月を周回する時に、いわば地球を迎えに行ってるので、どうかなと思わんでも無い。
しかし大気の影響を受けない映像は素晴らしく、やはり画期的であろう。
 
アメリカ、ロシア、欧州宇宙機関も月探査を計画している。
中国は昨年「嫦娥1号」を打ち上げ、2020年代には有人探査も計画しているらしい。
月でモノリスが発見されるかどうかはともかく、
国際的な取り決めなどに従って探査し、暴走せぬよう願いたいものだ。
 
なぜ今日は月の話なのか、疑問をもたれるかもしれない。
もちろん、冒頭に書いたように見事な半月を見たからである。
決してネタがつきた、とシャレで伏線を張っている訳ではありません。
 
<< 2012/05 >>
01 02 03 04 05
06 07 08 09 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

このブログについて

ノープラン、ノーコンセプトで綴る、
モノクローム・モノローグ。

最近のトラックバック

RSS