実際はそんなにヤバくないですよ。いやホントホント。2009/05/17

実際はそんなにヤバくないですよ。いやホントホント。
このところ雨続きである。
梅雨にはまだ早いと思うが、
文字通りに五月雨ということか。
 
自転車に乗って外出する機会も減り、
いよいよ運動不足が深刻なのである。
このままではお盆に飾る
精霊馬のようになってしまうのではないか。
 
雨の思い出もこの歳になれば幾つもあるものだ。
どちらかと言えば、
やはり楽しい思い出の方が少ないだろうか。
これは誰も似たようなものではないかと思う。
雨には暗いイメージが多少なりともつきまとうため、
唯の思い出もマイナス方向に脚色しがちである。
 
もうかれこれ何年も前で、細部のことは忘れてしまったのだが、連れと動物園にいった時の話だ。
待ち合わせの時間の直前に、スコールのような雨が降り、
中止しようか迷っていたのだが、行動を共にしてからは小雨になったので決行となった。
 
何とはなしに園内を見て回っていると、大きな鳥のケージがあったのだが、中に何も居ない。
ハゲワシの檻のようだが、植えてある木や止まり木などを見上げても見つけられない。
と、諦めて下を向いたら、思いのほか大きな体躯が金網のすぐそばの地面に居たのである。
 
思わずウワッっと声を上げたのだが、
その姿は濡れそぼって情けなく、あたかも中年の男性がしょんぼりしている様に見えて、連れと爆笑した。
もちろんこれはこっちの勝手な解釈なのだが、惨めな身の上を思い、とことん凹んでいるようだった。
ホステスに振られ、雨の中を傘もささずに呆然と立ち尽くす冴えないサラリーマンといったところか。
 
その連れとまた同じ動物園に久しぶりに行った時、その話題で持ち切りであった。
なにしろ二人とも、そのハゲワシの事以外、ライオンも象もキリンも一切覚えていないのだから。
 
しかしあれから幾歳月、あのハゲワシのことを笑っていられない風貌になって来たのではないか。
当時と比べ物にならないほど寂しくなった頭部のことを思うと、
あの濡れそぼってしょんぼりしたハゲワシは、雨に濡れた今日の私の姿だったのやも知れぬ。
 
ホステスには振られてないけどね。
 
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モノクローム・モノローグ。

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