図鑑が好きな家族ってどうですか?2011/09/30

図鑑が好きな家族ってどうですか?
先日、店内にブランコがある風変わりな店に行った。
ビルの地下にあるその店に降りる階段に、
干涸びた十数匹のミミズが、
折れ曲がって錆びた釘のごとく散らばっていたのだ。
閉鎖された階段ではなくオープンな形になっているが、
あたりに広い土の空間も見当たらず、
ミミズの発生源が分からない。
 
ここはひとつ例によって謎解きの考察を…
と思ったが、
前回あまりの内容の無さに、読んだ家族から
「私の1分間を返せ」と言われたのを思い出した。
ま、それが狙いだったのだが、
あんまりなので今回はもう少しまともな話にする。
 
件の店は、ほのかにカレーやらタンドリーチキンやらの匂いが漂っていた。
それほど広くはないが、いわゆる自然派カフェ、自然派レストランといったところか。
太い梁や板張りの壁や床、いくつかのブロックの仕切りと兼用になっている木製の本棚、
またそこに並べられている本や絵本も、自然を意識したものが揃っていた。
テーブルの上にはご丁寧に籠に盛った松ぼっくりという、まあ、子ども連れも狙ったそちら系の店である。
 
ブランコは3人掛けくらいのベンチタイプで、天井近くの太い梁からぶら下がっている。
座面の四隅が四本の太いロープで繋がっているので、
少し揺らすのが精一杯で大きく漕ぐのはさすがに無理。もちろんできたとしても大迷惑なだけだが。
 
本棚には「日本どんぐり大図鑑」なるものがあった。カラー150ページ以上の大型本である。
価格もそれなりにするこんなマニアックな本を、一体どれだけの人間が買うのだろう。
私が心配することではないが、はたして出版費用を回収することができるのか謎だ。
学校や図書館以外の個人の需要が疑問視される、こういった図鑑を時々見かけるが、
何年もかけて売るのか、あるいは何処かの団体から資金が出てるのか。
もっとも、私も嫌いじゃないし一緒に行った図鑑好きの私の家族は妙に食いついてはいたが。
 
ここまで書いて気がついた。
あのミミズは自然派を意識したこの店の演出なのではなかったか。
つまり毎朝、店主がどこからか調達してきたミミズを階段にバラまいているという訳だ。
無機質なビルの階段では味気なかろうと、店に足を踏み入れる前からの演出である。
そういえば近くに釣りエサのミミズを売ってそうな釣具店があったような…
土を少し掘ればいっぱいミミズのいそうな神社が近所にあったような…。
 
う~む、今回も時間泥棒の誹りは免れんだろうな。
 

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