平凡と非凡の狭間で惑う裁判官。2011/12/30

平凡と非凡の狭間で惑う裁判官。
先日、TEDでのスピーチでも有名な
デレク・シヴァーズの文章を目にする機会があった。
「あなたには当たり前の事が他人には驚くべき事だ」
と題された文章である。
 
あるクリエイターが革新的で素晴らしいものを作る。
その考え方は思いもよらないもので、
誰しも自分の考え方は普通でありふれている、
それだけの創造力が無いんだろう、と思いがちだ。
 
しかし、ある時に他人から驚きとともに言われる。
「そんな考え、どうやって思いついたんだ?」
 
また、ある売れっ子ミュージシャンは、
一番のヒット曲は発売するまで
録音する価値も無いと思っていたらしい。
みんな自分の考えはありふれたものだと思っているのだ。
 
つまり、自分の発想は自分にとっては当たり前のことで、何も特別な事は無いのだが、
他人にとっては、全く違う個性・世界観から発想されたものなので、斬新で新鮮なのであろう。
 
そういえば、とりたてて凄いとも思わなかった仕事を、クライアントから絶賛された事があった。
神の仕事のごとく言われたので、狐につままれたような気持ちになったのであるが、
我々は自分自身の創作物に対しては、一番腕の悪い裁判官だと彼が指摘した通りなのかもしれない。
だからこそ、創作物は広く公開して他者の評価を受けるべきであると。
 
実はもう10年も前から構想だけはある、いくつかのアイデアがある。
日常の忙しさにかまけていただけでなく、上記のような自分自身の評価ゆえの疑念もあって
プロットからひとつも進んでいないプロジェクトを、少しずつ具体的なものにしてみようと思う。
 
いずれにしても長い時間がかかるし、また公開するまで本当に非凡なものかどうかは判らないが、
生きているうちに全ての能力を吐き出さなければ、後悔する事は間違いない。
 
公開しなければ後悔するという、ベタすぎるオチではいくらなんでもあんまりだな。
誰が見ても非凡なものが何一つ無い。
デレク、どうやらあんたの買いかぶりだったようだ。
 
今年の更新はこれが最後である。社会的には激動の一年、私には生涯最速で過ぎた一年であった。
ろくに更新出来なかったが、来年はもう少し頑張ろうか、いや頑張ります。
皆様よいお年を。
 

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