風が吹けば誰かさんが儲かる。2013/02/23

風が吹けば誰かさんが儲かる。
始まりはiPhoneである。
家族が3年前に私と一緒に買ったiPhone4を落として、
裏面のガラスが割れてしまったのだ。
透明のケースに入れていたのだが、
逆にそれが全体に強い圧力になったのかも知れない。
 
2年過ぎているし、それならついでにと
私も一緒に新しいiPhone5に換えることにした。
ネットなどの写真では
背面は黒とグレーのツートンのように見えたので、
ちとダサいかなと思っていたのだが、
実機はグレーというよりはマットブラックで、
古い硯のような質感である。
思ったよりも高級感があり、
むしろモノリス風のこちらの方が私の好みに合う。
 
使い始めてみると、今度は逆にそれまでの4がひどく古臭いものに思えてきた。
以前書いたように、こころなしかスチームパンクなニュアンスが強調されてきたような感じなのだ。
 
さて、新しいガジェットを手に入れて多少浮かれていたのもここまでである。
いざ旧機種のバックアップから新機種に復元しようとすると、私の古いPowerMac G5ではできなかった。
Intelチップを積み最新のOSが必要であるらしい。
このままでは新機種を全く生かしきれないと悩んだ末、最新のMac Proに換えることにした。
 
使用中のMacは確かに古く色々問題が生じていたので、いずれは買い替える必要があったものの、
今年には全く新しい新世代のMacProが発売されるとの見通しがあったため、それまで待つつもりだった。
しかし背に腹は代えられない。
新世代機種を見越して今回は一番下のグレード、クアッドコアのMac Proを買った。
 
新しいマシンはSSDにも換装し完全64bit起動とも併せ、下位機種とはいえあらゆる動作が桁違いに速い。
もっと早くこれに換えておけば良かった。…と多少浮かれていたのもここまでである。
機種世代間の差が大きいためか、Adobe CSなどソフトの多くが正常に動かないのだ。
やむなくAdobe CS6のクラウドサービスにアップグレードした。
 
移行に伴う諸々の処理を一つずつ済ませて、やれやれと一息ついた。…と思ったのもここまでである。
これまでMac上で行ってきたFAXの送受信ができないことが判明した。
USBモデムが使えないためだが、旧機種をそのためにだけ運用するにはあまりにも嵩張る。
いまさらFAX器機を買うのもなんだし、レガシー技術をどんどん捨て去るAppleを呪っても仕方がない。
そこで、古い非力なMac Mini G4をヤフオクで安く落札した。これなら嵩張るまい。
Faxサーバとして現在絶賛稼働中である。
 
はじめはiPhoneを換えようと思っていただけなのに、マシン環境などを全部換えることになってしまった。
「風が吹けば〜」のように奇想天外に展開した訳ではないが、
坂道を転がり落ちるかの如く、次から次へ出費を伴う対策をとらなければならなかった。
結局儲かったのはどの局面でもAppleというオチである。
儲けている会社にさらに儲けさせるとは、私もなかなかお人好しよのうと自嘲するしかない。
なあに、この新しい環境で一儲けしてやる。…と思わずにはやってられない、くっそー。
 

残暑お見舞い申し上げます。2012/09/01

残暑お見舞い申し上げます。
多くのトラブルが続いたロンドンオリンピックも
日本選手の活躍もあって盛況のうちに終わり、
他の様々なイベントも終了。
いろんな意味で夏の終わりを感じるこの頃、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
 
と言いたいところだが、
私にはまだまだ夏は終わりそうもなかった。
 
というのも、スタジオのエアコンが全く効かないのだ。
もともと調子は良くなかったのだが、
8月の上旬から殆ど動作しなくなった。
 
なにぶん古いエアコンなので
修理するのも費用がかかるだろうし、
特殊な取り付けを余儀なくされるので、買い替えとなるとどのくらいの出費になるか。
あれこれ迷っているうちにどんどん日が過ぎていった。
 
希に思い出したように冷風を吹き出しても、
こちらがそれに合わせて窓を閉めたのを見計らったように停止する。
きっと誰かがこっそり覗いてリモコン操作しているに違いない。
 
室内は製作用のマシンやらストレージやら、プリントサーバーにでかい出力機と、
電気ストーブさながらの発熱源が揃っており、まるで我慢大会会場のごとき様相を呈しているのだ。
一日のタオルの消費量は凄まじく、洗濯物の量が倍増した。
冷房をガンガン効かして、汗もかかずにいるよりは多少健康的なのかもしれぬが、
室内でだらだら汗をかいているのが果してどれだけ体に良いのか分からん。
 
ところが、ここ数日外気温が若干下がったせいか、エアコンが少しずつ効くようになってきた。
気温が下がってから冷房が効くのでは全く意味がないではないか。
 
夏の終わりといえば、8月中にこのエントリーを上げるつもりでいたのだが、
最近睡眠不足だった所為か寝てしまい、痛恨にも8月の記事がゼロになってしまった。
一夜漬けで夏休みの宿題を片付けようとして失敗した小学生が、始業式の朝に焦っているがごときである。
 
親に手伝ってもらった宿題の工作が、とても小学生の出来映えとは思える仕上がりになるという御愛嬌も、
この時期の風物詩となっている感がある。
親の方がその気になってしまい、むしろ子供が手を出そうとすると、払いのける勢いだったりする。
むろん教師の方も、普段の力量を把握している為に全てお見通しなのだが、
おそらくは家族関係の良好さを確認する為の宿題なのではないか。
 
もちろん私のこのブログの更新を親が手伝ってくれるはずもなく、また全く意味がないのだが、
もし更新した記事がこれまでとは比べられないほど素晴らしい出来だったとすれば、
ははぁ、家族関係は良好なんだなと思ってください。
 

ジェームス・ブラウンもレイ・チャールズもキャブ・キャロウェイもジョン・ベルーシもいない。2012/06/30

ジェームス・ブラウンもレイ・チャールズもキャブ・キャロウェイもジョン・ベルーシもいない。
ひょんな事から車を譲り受けることになった。
VOLVOのS70である。
1997年式、走行距離10万越えの古い車だ。
 
以前車購入の検討の話を書いたが、
結局さらにその後の状況から買わずにいた。
 
車の必要性が現在逼迫している訳ではないが、
車は乗っていなければ
運転技術が失われかねないということもある。
車種、カラーともあまり気に入らなかったが、
この話を受けることにしたのだ。
 
車の基本的な操縦はもちろん、
咄嗟の危機回避能力なども重要なのはいうまでもない。
実際の街で道を探りながら、他の車の流れや予測、
自転車・バイク・歩行者に注意を払ってスムーズな操作をするのは、日常の蓄積した感覚が必要である。
 
そのあたりの錆び付きを懸念して譲り受けたはいいが、この車、とんだポンコツだったのだ。
 
もともと次の車検までかなとは思っていたのだが、果してそこまで持つかどうか怪しい。
発売当初はいい車だったと思われるが、さすがにあちこちガタが来ているようで、
まずバッテリーがイかれたのをはじめ、
エアコン、パワステ油圧など、点検・修理が必要な所が続々明らかになってきている。
 
まさしく、タダより高い物はないことを身を以て知ることになってしまった。
ターボもパワーシートもいらん。基本装備をしっかりしてくれ。
 
幸い、エンジン・ブレーキ・変速器など基本的な動力制動能力は安定していて手堅い。
まあ、嘆いてばかりもいられない。
機械に魂が宿っていると信じている訳ではないが、愛着を持って使わなければ応えてくれないこともある。
私は少々難があっても所有して使えば、割りと贔屓にする質なので、その辺りも大丈夫だろう。
 
映画「ブルース・ブラザース」で、
ジェイクとエルウッドの兄弟が、シカゴの街を壮絶なカーチェイスを経て税務署にたどり着いた時、
使命を果たしたかのように、タフだった車がバラバラになるシーンがある。
もしかしたら私の車のそんな運命が待ち受けているやも知れぬ。
 
もっとも、私の身体の方が先にバラバラになりそうなポンコツだというのはご承知の通り。
いやいや使命を終えるまではまだまだ……使命ってなんだったっけ?
 

煮しめと吉備団子が大好物です。2012/04/30

煮しめと吉備団子が大好物です
日本三名園のひとつ、岡山後楽園に行ってきた。
 
前日に人と面会したついでに立ち寄ったので、
わざわざ出かけたのではないのだが、
それでも価値が損なわれる訳ではあるまい。
 
有名な庭園なのでご存知の方も多いと思うが、
広大な敷地に池や花木が広がっており、
庭園というよりは、むしろ公園の趣である。
 
幸い旅行期間中、天気にも恵まれ、
四月とはいえ暑いくらいの陽気だった。
東屋でゆっくりとしていると、心地よい風も吹き、
日常の忙しなさが嘘のようである。
 
旭川を渡って烏城の別名もある岡山城にも足を運んだが、
鉄筋コンクリート造の天守にどれほどの価値があるのか分からん。
「烏城って烏賊に似てるな」とか、くだらないことをぼんやり考えたくらいで。
 
金沢の兼六園にはずいぶん以前ではあるが行ったことがあるので、
これで三名園で残すは水戸の偕楽園のみとなった。
むろんスタンプラリーでもなく、コンプリートしたからといって何か貰える訳もない。
「おめでとうございます!コンプリート達成です。賞品は三名園もう一周!」とか。
もっとも正直なところ、余程の「ついで」がなければ偕楽園に足を伸ばすことはないだろうと思われる。
 
ところでこの数日前、新しい靴を買ったのであるが、慣らしもせずにいきなりこの旅行に履いてしまった。
不用意ではあったが、多少窮屈だったくらいで靴擦れなどはできなかったのは幸い。
 
靴はアウトドアブランドMERRELLの製品で、爪先が安全靴っぽいWORLD RAMBLER DARK EARTH。
いつものウォーキングシューズとは少し履き心地が違い、
クッションがやや固いので、足首の関節や甲に負荷がかかって、平地の長歩きは少し疲れた。
ただ以前にも書いたが、私は新品のピカピカの靴を履くのが取り敢えず嫌なので、
家族から「煮しめたような」色だと言われようが、その風合いが結構気に入っている。
 
その家族はといえば、帰りの岡山駅で友達三人へのお土産として、吉備団子を3つ買っていた。
きっと家来にするつもりに違いない。
岡山駅前には葱坊主のような噴水の隣に、犬・猿・雉のお供を連れた桃太郎の銅像があるが、
遠くを見ようと桃太郎が目の上にかざした手に、家来になる気はさらさら無さそうな鳩がとまっていた。
さあて、果して友達は犬か猿か雉か、あるいは鳩か、はたまた桃太郎か。まさか鬼じゃないだろうな。
 

図鑑が好きな家族ってどうですか?2011/09/30

図鑑が好きな家族ってどうですか?
先日、店内にブランコがある風変わりな店に行った。
ビルの地下にあるその店に降りる階段に、
干涸びた十数匹のミミズが、
折れ曲がって錆びた釘のごとく散らばっていたのだ。
閉鎖された階段ではなくオープンな形になっているが、
あたりに広い土の空間も見当たらず、
ミミズの発生源が分からない。
 
ここはひとつ例によって謎解きの考察を…
と思ったが、
前回あまりの内容の無さに、読んだ家族から
「私の1分間を返せ」と言われたのを思い出した。
ま、それが狙いだったのだが、
あんまりなので今回はもう少しまともな話にする。
 
件の店は、ほのかにカレーやらタンドリーチキンやらの匂いが漂っていた。
それほど広くはないが、いわゆる自然派カフェ、自然派レストランといったところか。
太い梁や板張りの壁や床、いくつかのブロックの仕切りと兼用になっている木製の本棚、
またそこに並べられている本や絵本も、自然を意識したものが揃っていた。
テーブルの上にはご丁寧に籠に盛った松ぼっくりという、まあ、子ども連れも狙ったそちら系の店である。
 
ブランコは3人掛けくらいのベンチタイプで、天井近くの太い梁からぶら下がっている。
座面の四隅が四本の太いロープで繋がっているので、
少し揺らすのが精一杯で大きく漕ぐのはさすがに無理。もちろんできたとしても大迷惑なだけだが。
 
本棚には「日本どんぐり大図鑑」なるものがあった。カラー150ページ以上の大型本である。
価格もそれなりにするこんなマニアックな本を、一体どれだけの人間が買うのだろう。
私が心配することではないが、はたして出版費用を回収することができるのか謎だ。
学校や図書館以外の個人の需要が疑問視される、こういった図鑑を時々見かけるが、
何年もかけて売るのか、あるいは何処かの団体から資金が出てるのか。
もっとも、私も嫌いじゃないし一緒に行った図鑑好きの私の家族は妙に食いついてはいたが。
 
ここまで書いて気がついた。
あのミミズは自然派を意識したこの店の演出なのではなかったか。
つまり毎朝、店主がどこからか調達してきたミミズを階段にバラまいているという訳だ。
無機質なビルの階段では味気なかろうと、店に足を踏み入れる前からの演出である。
そういえば近くに釣りエサのミミズを売ってそうな釣具店があったような…
土を少し掘ればいっぱいミミズのいそうな神社が近所にあったような…。
 
う~む、今回も時間泥棒の誹りは免れんだろうな。
 
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