アンドロイドは電気羊の夢を見るか?2008/06/13

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
最近「インディ・ジョーンズ」の宣伝で来日していた、
ハリソン・フォードを見て思い出すのは、
P.K.ディック原作、
リドリー・スコット監督により映画化された、
SF映画の傑作「ブレードランナー」である。
 
2019年のロスアンゼルスを舞台に、
人間と区別がつかないほど精巧なアンドロイド、
「レプリカント」とブレードランナーとの
対決を中心に描いた作品だ。
無論、テーマともいえる「命」「人間」といった
命題にも哲学的な示唆を与えてくれる。
 
さらに特筆すべきなのはその未来観で、
公開された1982年当時に一般的に想像された、
清潔で洗練されただけの未来都市ではなく、
色々な文化が入り交じって雑然とした世界を、強烈なリアリティで作り上げていたことだ。
 
あれから26年経った現実の社会、
風俗的に見ると、この日本はまさしくこの映画で描かれた未来に近づいているかも知れない。
怪しいメイクでビルの谷間で退廃的にふるまう若者とか、映画に出ていそうだ。
 
あと11年でこの映画世界に並ぶ訳だが、当時の未来予想は当たっているだろうか。
精巧なレプリカントの実現は微妙なところ、というよりかなり難しいだろう。
当時は酸性雨が懸念されていたのだが、今ならさしずめ温暖化とオゾンホールか。
未来的すぎると採用されなかったシド・ミードのデザインもあるようだが、
少々のものは違和感なくありそうな気がする。
ただ、携帯電話はこれほどになるとは予想できなかったようだ。
TV電話の公衆電話など既にできるだろうが、果たして作るかどうか。
iPhone的なものを持っていても良かったはずだ。
もっとも、それでは雰囲気が出ないともいえるし、
SFのセンスからいえば、やはりTV電話の方が良いのかもしれない。
 
ブルーレイでもファイナルカット版が発売されたようだし、久しぶりに観ようと思う。
願わくば、主人公のデッカードを演じるハリソン・フォードの若さに、
長い年月の経過を感じ、その年月分の我が身の年を再確認して愕然とならぬように。
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モノクローム・モノローグ。

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